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綿柎開〜わたのはなしべひらく〜 2016年二十四節気七十二候
8月23日〜8月27日
二十四節気『処暑(しょしょ)』の初候『綿柎開〜わたのはなしべひらく〜』
綿の実が彈けて、ふわふわと白い綿が顔を出す頃。
この幾つかに湧かれた綿の中に種が数個ずつ入っています。
この綿からは、布や化粧用のコットンが作られ、綿実油も取れます。
先日、CSチャンネルで1977年に制作された
アレックス・ヘイリー原作の「ルーツ」というテレビドラマが放送されていました。
西アフリカの黒人少年クンタ・キンテから奴隷解放時代にいたるまで、
代々の人生を描いた長編ドラマです。
幼かった私は、このドラマに夢中になったことを覚えています。
人権を無視して、アフリカ大陸からアメリカ大陸へ奴隷として売り飛ばされた
主人公とその子孫の過酷な人生と、彼らが働いていた綿花栽培の巨大プランテーションが
重なって頭から離れません。
綿花の実を見る度に、あのドラマを思い出します。
今回のオリンピックでも、エチオピアの選手が命がけで人権擁護の意思を表明しました。
何十年も前にも、アメリカの黒人選手とオーストラリアの白人選手が
メダル授与式の場で、公民権運動への支持表明し、
その後、辛く厳しい人生を送ったそうです。
私にとって、綿花は平等な人権の必要性を改めて思い出させる特別な実です。
古来より、人の衣類となり、衛生用品となり、
様々な人々の生活を支えて来た綿花。
平和の象徴として、いつまでも柔らかく温かく、人々の心に影響を与える存在だと思います。
そんな綿花が実るこの時期、世界中の人権を改めて考える良い機会になればと思います。