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霞始靆〜かすみはじめてたなびく〜 2016年二十四節気七十二候
2月24日〜2月28日
二十四節気『雨水(うすい)』の次候『霞始靆〜かすみはじめてたなびく〜』
霞がはじめてたなびきはじめる頃。
大地に潤いが満ち溢れてくる季節になりました。
雨水になってからの雨は、しっかりした雨粒の本格的な雨が多いですね。
ところで。。。
春の雨というと、「春雨じゃ濡れていこう」というセリフが真っ先に浮かんでくるお歳頃。^^;
若い皆さんは、耳にしたことはないでしょう。
これは新国劇「月形半平太」の中で、往年の大スター長谷川一夫演じる主人公が、
京都・三条の宿を出るときに、傘を差し掛ける舞妓さんに向かって言う有名なセリフです。
(goo 辞書 参照 http://dictionary.goo.ne.jp/jn/180342/meaning/m0u/)
一般にも、小雨の中を傘なしで歩く時に気どった言葉として使うとされていますが、
本当は違うかも?というお話も。
国語学者・言語学者の金田一春彦氏はその著書「ことば歳時記」の中で、
こう述べられています。
「春雨が風流だから濡れて行こうと言ったのではなく、
横から降り込んでくる霧雨のような雨ではしょせん傘をさしてもムダだから、
傘なしで行こうといったものらしい」(金田一春彦著『ことばの歳時記』P112)
「気持ち良いから、傘を差さずに濡れていこう〜」
というのではなくて、
「傘を差さすだけ無駄だから、傘は差さず濡れていこう〜」だったのですね。
これは京都の気象の特徴で、また東京の春雨とは違うそうです。
京都の春雨は、
「雨とはみえないような細かな水滴が、
空中を舞い上がり、舞いおりして、しっぽりと京の町をぬらしている」
(金田一春彦著「ことばの歳時記」 P112)、そんな感じ。
東京では、傘がほしくなるような雨だとか。
ことばにも地産地消があるんですね。
地域性を大事に生きることも、
これからの世の中では大切かもしれません。人生に彩りが戻りそうです。